チビ子のお話
ブログのタイトルにもなっている『チビチビチビ子』は、今私たちが暮らしている場所から15,000キロ以上離れたところに居る私の(だと自分では思っている)にゃんこの名前です。
3年ほど前にヨーロッパの南東に位置する国の小さな村で半年ほど暮らしたのですが、チビ子はその年の夏に家の近所を縄張りとする狸のように真ん丸な顔のお父さん猫と片目がないお母さん猫の間に生まれました。一応この2匹の猫は家のご近所さんの家猫らしいのですが、そこは村の話、放し飼いで日中は色々なお宅にお邪魔していました。
チビ子は、生まれてからしばらくはいつもお母さん猫と一緒に過ごしていて、私が「チビ、チビ」と呼んでも近づいてくることはありませんでした。
でも、2ヶ月くらい経った頃から、好奇心につられたのか、呼ぶと近くにやってきて、抱っこも膝の上に乗せてへそ天にしてもゴロゴロ言うようになってきて、そうなると可愛さも倍増。「この子は私の猫」宣言をして餌をやり、段ボールで寝床を作りました。(お家のオーナーからは、家の中に入れてはダメ!と言われていたので、ベッドは納屋に設置)猫風邪を引いたとなると自分では飲まないミルクを買ってきてそこに薬を混ぜて飲ませたり、目やにで目があかなくなったら、ティッシュを濡らして目やにをとったりとすっかり下僕化しておりました。
日本だとすぐに獣医さんに見せたりするところですが、ヨーロッパでも最貧国の一つに数えられる国の小さな村では、人間のお医者さんすら週に2回、半日しか来てくれません。獣医さんなどいませんし、もしいたとしても家畜しか見てはもらえないでしょう。
村の食料品店には猫の餌などなく、チビ子は私たちと同じものプラス骨付き肉の骨の部分を喜んで食べています。
村を離れることになった時には、チビ子も一緒に連れてきたかったのですが、我々は基本的に地球規模での根無し草。チビ子をあちこち連れまわすことが幸せとは思えませんでした。
住んでいた家のオーナーのマダムが面倒を見てくださると言うことで、チビ子をお願いすることに。出発日には号泣で、マダムから笑われました。
今のところ、チビ子とは一年に一度ひと月半くらいしか会うことができません。
それでも毎回村について、車を停めたから「チビ子!!!」と呼ぶと、たとえお隣の庭で遊んでいてもまさに飛ぶようにやってきて、しっぽをぴんと立てて走ってきてくれるのです。
猫って3日で恩を忘れるとか聞いていたので、もう私の事なんて覚えてないかなぁ、と毎年不安になるのですが、チビ子は私の事まだ覚えていてくれるみたいです。
今年も9月には村に行く予定。今度は3‐4か月滞在するので、チビ子のおやつをいっぱい抱えて出かけようと思っています。
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